兄弟姉妹が親の介護に参加しないという話はよく耳にしますが、我が家でも姉はほとんど介護に関わっていません。母の介護が本格化した頃、姉はパートから正社員に転職し、同じ市内に住んでいるものの、実家に顔を出すのは年に数えるほどです。
同じ姉妹でも違う役割に
祖父母の介護では、四人姉妹が交代で見舞いや通院の付き添いをし、車の有無などを互いに補いながら全員が介護に参加していました。
しかし、我が家では子どもの頃から姉だけ家のことをあまりしないタイプでした。部活、バイト、サークルと常に外に向かう性格で、母も「長女には好きなことをさせる」という方針でした。母自身が長女として家事を押し付けられて育ったため、その反動だったのかもしれません。
一方の私は「勉強しなくていいから家事をしなさい」と言われて育ちました。幸い家事が苦ではなく、今では一通りの家事が得意になりました。
少ないエネルギーをどこに使うか
姉は才気活発で外向的。家のことを進んでするタイプではなく、「死・病気・老い」といったテーマが苦手ということもあり、私は最初から「姉に介護は頼れない」と思っていました。
私自身は体力も気力も強くはない方で、姉を説得して介護を担ってもらうことにエネルギーを使うより、その力を両親の介護に向けたほうが建設的だと考えています。
とはいえ、姉なりに気にかけてくれているのか、年に二度、母の好きなハムの詰め合わせを贈ってくれます。また、母がわがままを言って私や父を困らせた時には、「お姉さんのお家に行きなさい!」と冗談半分の逃げ場として活用できることもあります。(笑)
そんな姉でも傷つくことがある
先日、姉が家に来た際に、介護の専門職の方々と行った「今後の方針の話し合い」の話をしました。そこでつい「チーム◯◯(母の名前)の皆さんが…」と言ってしまったのですが、姉は自分が呼ばれていなかったことから「自分はチームの外なんだ」と感じたのか、少し寂しそうにしていました。
慌てて「医療関係者のチームって意味よ」「家族はそのチームに入らないから」と説明しましたが、普段は豪胆な姉でも、こういう部分では繊細なのだと感じました。
ひとつだけ心配していること
姉の気持ちを理解することはできても、姉自身の行動や感じ方をコントロールすることはできません。私は毎日、忙しいながらも楽しく介護に携わり、両親と過ごす時間を重ねています。将来ふたりが天国へ旅立っても、私にはたくさんの楽しい思い出が残ると思います。
でも姉はどうでしょうか。老いゆく両親に触れる機会が少ないまま別れの日を迎えたとき、後悔しないだろうか。それだけが、私のささやかな心配なのです。

