母のうんちを手に取った日。介護のお風呂場で起きた悪ふざけ

介護の知恵袋

介護には、教科書に載っていない事件がよく起きます。

深刻なものもあれば、思わず笑ってしまうものもあります。

母を自宅のお風呂に入れていた頃、我が家の風呂場には密かに「レッドカーペット」が敷かれていました。

理由はひとつ。
母が、かなりの確率で「出す」からです。

そしてある日、ついに私は――その「成果物」を手に取ってしまいました。

今日は、そんなお風呂場で起きた、ちょっと悪ふざけな介護の思い出を書いてみようと思います。

お風呂場での悪ふざけ

まだ母が自宅のお風呂に入れていた頃のお話です。

小太りの母をお風呂に入れるのは、なかなかの重労働でした。
しかも母は排便・排尿の感覚がありません。
いつ「もよおす」かわからないのです。

こちらは常に迎撃体制を整えておかないと、被害が拡大します(笑)

母が服を脱いだり、体を拭いたりする椅子の座面にバスタオル。
さらに母が歩く場所にはバスタオルを敷いて準備していました。

私はこれを密かに、「お風呂のレッドカーペット」と呼んでいました。

ある時から、母はシャワーチェアに座り、足を洗っている最中にうんちをするのが習慣になってしまいました。

前かがみになると腹圧で、腸が動き、排便しやすくなるのでしょう。

最初のときは、さすがに狼狽しました。

体をきれいに洗った直後に、また全部洗い直し。
さらに汚物の片付け。

正直、かなり腹も立ったと思います。

でも、それを何度か繰り返すうちに、こちらもだんだん慣れてきました。

ある日。

母がいつものようにかがみ込み、足の指の間をスポンジでゴシゴシ洗っている最中――
やはりいつものように「出た」のですが、その日はかなりの量で、しかも見事な形を保っていました。

思わず、手に取ってみました。

温かくて、意外と嫌な感じはありません。

我が家の七不思議の一つに、こんなものがあります。

母はおならは臭いが、うんちは臭くない。

本当に不思議です(笑)

まるで粘土のようなそれを手に持って、母に

「ほれっ」

と見せたところ――

自分のものなのに

「やめてよ! そんな汚いものこっちに持ってこないで!」

と激怒されてしまいました(笑)

それ以来、私は密かに思っていました。

「また同じようなのが出ないかな。
出たら日頃の憂さ晴らしに見せてやろう」

まるで悪党です。

ところが、母も警戒しているのか、それ以来、お風呂場でのうんちはめっきり見なくなりました。

その後、母は自宅で転倒して骨折し、長期入院になりました。
入退院を何度か繰り返すうちに足腰も弱り、車椅子生活になり、今ではデイサービスの機械浴でなければ湯船に浸かることができません。

母が使っていたシャワーチェアや、浴槽に沈める台は、今でも捨てずに取ってあります。

父の介護が必要になったときに使おうと、密かに計画しているからです。