母の“トイレの困りごと”との長い戦い(前編)
ケアマネジャーさんの勧めで、介護用オムツを試してみることになりました。履かせるだけのリハビリパンツとは違い、最初は扱いに戸惑いながらのスタートでしたが、思いがけない変化が待っていました。
介護用オムツのすごさを実感
母は以前から、介護用オムツを使うのは嫌だと訴えていました。それでも、毎日何度も汚物を洗濯し、イライラしている私を見て、仕方なく使用を承諾してくれました。
実際に使ってみると、リハビリパンツに比べて、
- 給水量が圧倒的に多い
- 吸収面が広い
- 足の付け根にぴったりフィットする
といったメリットがあり、オムツを使い始めてからは、ズボンや衣類を汚すことがほとんどなくなりました。
ただ、母の希望もあり、昼間はリハビリパンツ、夜間は介護用オムツという形で使い分けることにしました。夜だけでもトイレの心配をしなくてよくなり、本当にありがたく感じました。
尿路感染を繰り返す
その頃、私は毎日、母の世話と家事と自分の仕事に追われていました。ちょうど父がヘルニアで入院してしまい、「母がもう少し介護に協力的になってくれたらな」と思っていた時期でもあります。
ある日、母がだるそうにして、ベッドに寝たまま起き上がろうとしませんでした。デイサービスもお休みさせ、午前中は母を寝かせたまま、父の退院手続きと迎えに行き、自宅へ戻りましたが、相変わらず母は起きようとしません。
疲れと苛立ちも重なり、「どうしてそんなにダラダラしているの?」と母を責めてしまいました。しかし、声をかけても反応が薄く、ただならぬ様子でした。
デイサービスを休んだことを心配して、ケアマネジャーさんが家まで様子を見に来てくれました。熱、血圧、酸素濃度などを測ってくれた結果、「これは救急車を呼んだほうがいい」と判断され、父が午前中まで入院していた病院に、今度は母が救急搬送されることになりました。
検査の結果、「尿路感染・腎盂腎炎」であることが分かり、そのまま治療入院に。治療が終わるとリハビリ入院のため他院へ転院し、無事に退院したものの、そのわずか2日後に再び同じ症状で入院することになってしまいました。
病院側も、同じ症状を繰り返さないようにとの判断から、尿に管を通す「バルーンカテーテル」を処置することになりました。
意外と抵抗がなかったバルーンカテーテル
祖母が一時期バルーンカテーテルを入れていたこともあり、母は意外なほど抵抗せず、現状を受け入れてくれました。
一方の私は、「自宅で以前と同じような環境のまま、感染を100%近くまで防ぐことができるのだろうか」と不安でいっぱいでした。しかし、主治医の先生からは「バルーンカテーテルを入れていると、ある程度管理は必要ですが、感染のリスクを減らすことができます」と説明を受け、自宅での介護をこれからも続けられるかもしれない、と少し希望が持てるようになりました。
トイレの心配から解放される
バルーンカテーテルを入れてからは、尿に関してはすべて専用の排尿バッグに溜まるようになりました。1日2回、尿を廃棄すればよいだけなので、今までのように衣類を汚したり、夜中に母をトイレに連れて行ったりする必要がなくなり、非常に助かっています。
今では、パッドやリハビリパンツを何枚も交換する必要がなくなり、家計の面でも大助かりです。軟便のときも、オムツとパッドのギャザーがしっかり便をせき止めてくれるので、外に漏れることはほとんどありません。
何度かリハビリパンツに戻してみたこともありますが、陰部を洗浄するときにハンドシャワーを使うと、水がパンツから漏れてしまい、結局は不便でした。そのため、最終的にはすべてオムツで対応することに落ち着きました。
今では、起床時と就寝時の1日2回、排尿処理を行い、便が出ればその都度オムツを交換する、という流れになり、トイレの心配に追われていた日々に比べると、ずいぶんと心身ともに楽になりました。

